メナーデのドイツ映画八十八ケ所巡礼

メナーデとは酒と狂乱の神ディオニュソスを崇める巫女のことです。本ブログではドイツ映画を中心に一人のメナーデ(男ですが)が映画について語ります。独断に満ちていますが、基本冷静です(たまにメナーデらしく狂乱)。まずは88本を目指していきます。最近は止まっていましたが、気が向いたときに書いております。

2020-02-01から1ヶ月間の記事一覧

アイヒマンを逃さなかった検事フリッツ・バウアー ドイツ映画2本

本記事で紹介するのは次の二本。 アイヒマンを追え! ナチスがもっとも畏れた男(字幕版) 発売日: 2017/07/05 メディア: Prime Video 2015年、劇場上映作 105分 検事フリッツ・バウアー ナチスを追い詰めた男 メディア: Prime Video 2016年のテレビ映画 93…

完璧なモラハラ夫 ファスビンダー『マルタ』

『マルタ』原題も„Martha“ 主人公の名前である。苗字ではない。 ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー監督作品で劇場上映ではなくテレビ映画(1974年) 演じるのはMargit Carstensen カールステンセンはファスビンダー作品の常連で大体酷い目に遭わされる(涙…

「ゲイ映画」、「ゲイ表現」の魅力

ブログを書き始めて、書きたい映画の多くがゲイ・レズビアンなど性的マイノリティーがテーマに組み込まれた映画であることにあらためて気づく。 アナザー・カントリー HDニューマスター版 [DVD] 出版社/メーカー: Happinet(SB)(D) 発売日: 2010/01/29 メディ…

ヘンリー・カウとの出会い

Henry Cowはイギリスのプログレ、ジャズロック、インプロ、カンタベリー系バンド。 フレッド・フリスやクリス・カトラー在籍のLegEndバンド。 ファーストアルバムが靴下のジャケットのLegEnd Legend アーティスト:Henry Cow East Side Digital Amazon シリア…

少女たちの秘密の儀式と人生の選択 イスラエル・フランス映画『秘密の祈り』

2007年、イスラエル・フランス合作。ユダヤ教徒とフェミニズムという興味深いテーマにセクシャル・マイノリティーの問題も混交した青春映画。日本では2011年にアジアクィア映画祭にて上映。日本ではソフト化はされていなくて、なぜかイタリア版がアマゾンに…

女王蜂『HALF』

芸人のハライチのラジオ(TBSラジオ『ハライチのターン』)を愛聴しているが、オープニング曲がかっこいい。岩井の選曲とのことで、岩井がかける曲は少なからず注目していた。 そこに前から名前は気になっていたバンド女王蜂の『Half』がかかった。たしか『…

「女テロリスト」の波乱の半生 ドイツ映画『レジェンド・オブ・リタ』 フォルカー・シュレンドルフ監督作品 作品とその背景について

2000年、ドイツ映画。『ブリキの太鼓』で有名なフォルカー・シュレンドルフ監督作品。本記事では、映画のポイントを考察、周辺情報をまとめます。 レジェンド・オブ・リタ 発売日: 2019/10/09 メディア: Prime Video ドイツ語原題は„Die Stille nach dem Sch…

初老ドイツ人女性とアラブ系移民の苦悩と愛 ドイツ映画『不安は魂を食い尽くす』

1974年、西ドイツ映画。原題 „Angst essen Seele auf“ ニュー・ジャーマン・シネマの旗手ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー監督作品。初老のドイツ人女性とアラブ系移民(出稼ぎ労働者)の恋と葛藤を描く。原題„Angst essen Seele auf“は、恋人のアラブ…

リリー・フランキーのお尻 日本映画『万引き家族』

前から見たかったが、無料会員になったアマゾンprimeで視聴。 最初「ながら見」をしていて入っていけなかったが、風俗シーンで目を奪われてもっかいはじめから見直し、号泣。 万引き家族 メディア: Prime Video

1大江健三郎『万延元年のフットボール』と村上春樹『1973年のピンボール』 2『燃え上がる緑の木』

1 大江健三郎と村上春樹 『万延元年のフットボール』はノーベル賞作家大江健三郎の名作。 万延元年のフットボール (講談社文芸文庫) 作者:大江 健三郎 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 1988/04/04 メディア: 文庫 『1973年のピンボール』はノーベル賞受賞…

ドイツ映画『5パーセントの奇跡』 「多様性」肯定戦略

2017年ドイツ映画。実在の人物−−−−視覚の多くを失ってしまったが、努力もあって成功した−−−−の話をもとにした映画。酒を飲みながら見たせいもあるかもしれないが涙してしまった。 5パーセントの奇跡 ~嘘から始まる素敵な人生~(字幕版) 発売日: 2018/07/…

二つのヒロイン『ドア・ロック』『スマホを落としただけなのに』 おまけに『82年生まれ、キム・ジヨン』とフェミニズム

『ドア・ロック』は2018年の韓国映画、『スマホを落としただけなのに』も同じく2018年。どっちもスリリングで面白い。 ドアロック [DVD] 出版社/メーカー: アルバトロス 発売日: 2020/02/05 メディア: DVD スマホを落としただけなのに DVD 出版社/メ…

ナチ将校になりすます兵士の悪魔化(実話) ドイツ映画『小さな独裁者』

ナチス・ドイツもの 「ヒトラーの・・・」といったタイトルの映画が毎年のように日本でも現れる。『ヒトラーの贋札』『ヒトラーの忘れ物』などはどちらもヒトラーは一切出てこない。これらは映画自体の出来は良い(特に『忘れ物』)ので、タイトルのつけ方に…

James Iha: Let it come down

スマパン(The Smashing Pumpkins)のドラマーであるジミー・チェンバレンについては前に書いたが、今回はギタリストのジェイムズ・イハについて。 『メロンコリー』収録の名曲 „take me down“ The Smashing Pumpkins - Take Me Down 祖父が沖縄出身で日系3…

SlintのSpiderland ドキュメンタリーDVD

今日はアメリカのバンドSlintについて 大学生の頃色々聴き漁る中で、当時好きだったモグワイと近いスローコア、サッドコアみたいなくくりの中での有名バンドだった。 Tweez 発売日: 1989/01/01 メディア: MP3 ダウンロード ファーストアルバムはかのスティー…

ドイツ映画『50年後のボクたちは』 変な奴と友達になることのかけがえのなさ

アマゾンプライムのスターチャンネルで視聴。 ドイツのベストセラー『チック Tschick』の映画化、原題もTscick ちょっと「サイコ」な主人公が、もっとエキセントリックな転校生チック(ロシアからの転校生でアジア系)と友達になって一夏車でぶっ飛んだ経験…

ジミー・チェンバレン

Smashing Pumpkins(スマパン)について昨日書いたが、今日はそのドラマー、Jimmy Chaimberlinジミー・チェンバレンについても少し。 スマパンは稀有なバランスの上に成り立っていたバンドである。個人的な印象で簡単にまとめると・・・ ビリー・コーガン。…

スマパンとイエモン、1979の思い出

スマッシング・パンプキンズ、日本での略称スマパン。 90年代に一世を風靡するも、絶頂期のツアー厨二ドラマーのジミー・チェンバレンがドラッグで解雇になったあたりから徐々にボロボロな感じになって2000年に解散(ジミー抜きの『アドア』もいいアル…

このブログについて

こんにちは。このブログは筆者が観たもの、聞いたもの、読んだものについての感想、備忘録です。趣味の範囲で肩肘はらずに書いていきます。はじめたきっかけは足の骨折です。思うように動けないのはしんどい。 趣味 ロック音楽を聴く、ドラムを叩く、漫画を…