ロマンス・ドール
ある晩、amazon primeでちょっとエッチなものを見ようとしていた。
過激なものや「実用的」なものではなく、なんとなくエッチなものである。
検索したところvシネみたいなものが多く⭐︎は大体3弱。
そんな中⭐︎4つだったものをクリック。
この二人が主演ということは意外と普通の映画?と思いつつ、見てみることに。
ラブドール(ダッチワイフ)製作工場で働くことになった高橋一生が、オッパイのモデルとして現れた蒼井優と結婚するも、色々あって・・・二人の秘密と関係はどうなっていくのか・・・といった話。一気に最後まで持っていかれた。
蒼井優
個人的見所はドラマ部分以外だと
1 蒼井優のラブシーンの角度 騎乗位(!)で見せる背中の美しさ!。
2 蒼井優の顔 サッパリしてるけど表情の変化がとても魅力的!
3 蒼井優の日常の幸せシーン CMみたい!
CM的な普通にいい感じの部分と役者的な部分の魅力に加えて、さらに肉体の魅力まで楽しめます。ドール優も素敵です。
全体の展開
序盤は普通にちょいエロコメディ風で、蒼井優のオッパイが見れるのか、見れないのかでドキドキします。きたろうがいい感じで出ていて高橋一生と遊んでいます。中盤は蒼井優が普通の「出来た妻」になっていて、高橋一生が仕事に夢中になったこともあって、オッパイ要素がなくなります。後半に再び現れるオッパイ要素は序盤の妄想と中盤の現実をアウフヘーベンしたロマンスになっていくのがとても良かった。序盤に期待したエロ以上のものを目の当たりにする展開で、期待は裏切られつつも、期待以上のものを観てしまった感じの映画でした。アウフヘーベンはヘーゲル哲学用語で、未熟なものを捨てつつも、高次の段階で取り戻すといった意味ですが、この映画では妄想のエロを捨てつつ、現実のスケベ心をさらけ出してロマンスに至るという、まさにアウフヘーベン的展開になっています。
序盤の見所
序盤で、高橋一生が惚れてしまったオッパイモデルの蒼井優に忘れ物を届けに行く展開はベタだけど、走って追いかけるシーン(BGMが良い)と、追いついた先の階段でのシーンにワクワクドキドキしてしまう。技術的なことはわからないが、監督が基本をしっかり押さえているんだと思った。くっつくまでの展開はドキドキしすぎて恥ずかしいくらいで、こんなベタな麻薬を与えられていては自分はダメなんじゃないかとツッコミを入れながら見てしまうほど、漫画みたいな展開。見終わってから監督が女性と知ったが、男性の理想の展開をよく分かってらっしゃると思った。ただ、逆に女性から見ても、二人がくっつく展開は一つの理想形なのかもしれないと思う。
中盤の夫婦生活ドラマ
設定からして普通の人にとってのリアリティを追求してはいないにも関わらず、中盤でのドラマが急にリアルな感じになり、そうなってくるとラブドール含めて色々実生活のメタファーとも映る要素が際立ってくる。中盤のドラマ部分、二人の生活描写では、関係が単調になったり、愛が薄れたりしていく感じだったり、そのことへの寂しい想いだったりが描かれる。そんな中高橋一生とゲーセンで遭遇する女性の描写や演技も良い。
序盤とは対照的に、(特に結婚生活や倦怠期こみのカップル関係に関して)リアルに切実なものが描写されているのでグッと引き込まれていく。映画全体がどうなっていくのかも読めなくなってきて、先が気になる。見始めた時は適当なところで止めようかと思っていたのだが、先が気になりすぎて最後まで見てしまう。
後半の展開
後半は理想のラブドール完成を目指すコメディ的な展開と愛をどう形にするべきかを問うドラマ的な展開が入り混じっている。空騒ぎ的な笑いでもなく、シリアスに要求される感動でもないものを感じる展開。ギャグを盛り込みつつ、パートナーと向き合うこととは何かを描いていて心揺さぶられた。
高橋一生
高橋一生は妻が好きなのでちょいちょい見る機会があって、いつもいい演技だなと思っているが、本作も良い。蒼井優目当てで見る人と高橋一生目当てで見る人はどっちが多いのか気になるが、どっちから観ても観た人は多分いいものを観たと思うのではないか。
ちなみに彼のデビュー作を妻が持っていたので観ました。
スプラッター恋愛映画です。
CMとかは別にして変な設定の映画で力を発揮するのは初期からあんまりブレてないような。