メナーデのドイツ映画八十八ケ所巡礼

メナーデとは酒と狂乱の神ディオニュソスを崇める巫女のことです。本ブログではドイツ映画を中心に一人のメナーデ(男ですが)が映画について語ります。独断に満ちていますが、基本冷静です(たまにメナーデらしく狂乱)。まずは88本を目指していきます。最近は止まっていましたが、気が向いたときに書いております。

ナチ将校になりすます兵士の悪魔化(実話) ドイツ映画『小さな独裁者』

 

ナチス・ドイツもの

ヒトラーの・・・」といったタイトルの映画が毎年のように日本でも現れる。『ヒトラーの贋札』『ヒトラーの忘れ物』などはどちらもヒトラーは一切出てこない。これらは映画自体の出来は良い(特に『忘れ物』)ので、タイトルのつけ方になんだかなあと思うが、いずれにせよ、ナチスものは常に人目を引くのだろう。しかし、ドイツ映画を見るようにしている筆者としては、ヒトラーおよびナチスものはちょっと食傷気味だった。本作『ちいさな独裁者』についても全然期待もせずにみた。しかし、とんでもない話で、ナチスもの無尽蔵ともいえるネタの多さにあらためて驚愕。

 

原題は„der Hauptmann“(大尉)

第二次大戦時に実際あった偽「大尉」の犯罪について映画化。

ちいさな独裁者(字幕版)

ちいさな独裁者(字幕版)

  • 発売日: 2019/09/04
  • メディア: Prime Video
 

 

見所

前半は主人公「大尉」の「見つかるかも・バレるかも」感でハラハラさせて観客をひっぱていく。中盤からは「マジか・こんなことがマジで起こるのか」感で眩暈がしてくる。戦争下のナチスドイツでも法による統治はある程度遵守されていたことが、逆にわかるのも面白かった。ネタバレのないよう、あまり多くは語りませんが、オススメです。