メナーデのドイツ映画八十八ケ所巡礼

メナーデとは酒と狂乱の神ディオニュソスを崇める巫女のことです。本ブログではドイツ映画を中心に一人のメナーデ(男ですが)が映画について語ります。独断に満ちていますが、基本冷静です(たまにメナーデらしく狂乱)。まずは88本を目指していきます。最近は止まっていましたが、気が向いたときに書いております。

リリー・フランキーのお尻 日本映画『万引き家族』

前から見たかったが、無料会員になったアマゾンprimeで視聴。

最初「ながら見」をしていて入っていけなかったが、風俗シーンで目を奪われてもっかいはじめから見直し、号泣。

 

万引き家族

万引き家族

  • メディア: Prime Video
 

 

 

図式的には宮台真司の図式がドンピシャかと思う。


【宮台真司】映画『万引き家族』を社会学から見る《デイキャッチ》

 

なので気になったシーンについて書く。

 

・コロッケをカップカレーうどんに浸すシーン。

単純にやってみたくなるのと、貧相な食生活でも工夫したら楽しいし、美味しいし、幸せというのを体現していて良い。

 

安藤サクラの下着、お尻

仕事をクビになったあとで新調した下着が透けているシーン。とても官能的と思っていたら、リリー・フランキーが久々に「もよおす」。安藤サクラは個人的には『愛のむきだし』で知ってびっくりしたが、この映画でも本当にいい演技。

 

愛のむきだし

愛のむきだし

  • 発売日: 2015/09/28
  • メディア: Prime Video
 

 

リリー・フランキーのお尻

上記の安藤サクラのあとのシーン。「できたろ、なあ」のセリフが本当にうれしそうで良いのと、風呂場でみせるお尻がセクシー。最近流行りの筋トレ風の美尻の逆を行く貧相でリアルな尻である。だが、この尻が久々のセックスで喜びを得たと思うと、感慨深く、セクシーに見えてくる。そんな尻をさらすリリー・フランキー。「カッコよくないけど素敵」をこんなに体現できる役者の尻をはじめてみたように思う。「息子」に向かって「これしかできないんだよ」というセリフも泣かせる。

 

とにかくこの映画の安藤サクラリリー・フランキーは素晴らしい。

子役の二人もいいし、松岡茉優も素敵(ただ、風俗での「つながる」シーンは男性の想像のユートピアではないかと思うが如何?)。柄本明の「見逃す」シーンもよい。

 

上で触れた宮台真司のいう「法外」の幸せをユートピア的に描きすぎてるのではないかと少し思うが、それでもこの映画が投げかける問は大きいし、人が何を求めているのかを明らかにしてくれるすごい映画。