『フランス組曲』 占領下のフランス、ドイツ将校と恋に落ちてしまった人妻は・・・
2014年、イギリス、フランス、ベルギー映画。
ソウル・ディブ監督、ミシェル・ウィリアムズ、マティアス・スーナールツ主演。
ナチス・ドイツ占領下もの。特にフランスはレジスタンスものでよく映画になるが、これは住宅に間借りしたドイツ軍の将校と恋に落ちてしまって・・・という話。原作はユダヤ系でフランスで作品を発表していた。アウシュヴィッツで死んでいて、死後『フランス組曲』の原稿が発見され出版。ベストセラーになった。映画は、そのうち一編を映画化。
映画の特徴
話自体は、オーソドックスな「敵なのに好きになってしまったドラマ」。ミシェル・ウィリアムズが、貞淑さの内に秘めた様々な「不満」をうまく醸し出している。
第二次大戦ものということでの特色は次のような点。
・占領下のフランスの田舎の感じが細かく描かれる。義母が地主で取り立てに行く場面などもあって面白い。
・ドイツ軍の将校が人間として描かれる。恋に落ちる相手なのだから当然ではあるが、全体にドイツの軍人がそこまで非道には描かれていない。これは軍人がSS(ナチス親衛隊)ではなく国防軍だからということもある。国防軍はあくまで職業軍人で、必ずしもナチス党員ではない。反乱分子の処刑やユダヤ人狩り、収容所移送を行うのはSS。
参考までに過去記事。
義母役のクリスティン・スコット・トーマスはいかにも義母らしい義母を好演。戦地にいった息子を愛し、嫁を「教育」中。最初は嫌な感じの人だが、最後はそうでもない感じで終わる。
恋に落ちるドイツ人将校役はマティアス・スーナールツ。真面目な将校を好演。
ドイツからはトム・シリングが出演。ニーチェを引用しながら、人妻にちょっかいをかけようとするなど徹頭徹尾嫌なやつの役。
またアレクサンドラ・マリア・ララがユダヤ人役(ちょい役)で出演。
その他気になる点
フランス人とフランス人、フランス人とドイツ人が英語でしゃべっていて、ドイツの軍人同士だけだとドイツ語というのが最初違和感あり。フランス語版は英語でなくてフランス語なのだろうが。
メロドラマ部分が燃え上がりきらないのが、個人的には残念。
U-Nextで視聴可能です。